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コスト設計のための提案

 

コスト設計はモノづくりの知識や経験が大切

 

製品設計においてコストダウンや目標原価を達成するための最適なコストは、どのような思考の中でアイデアとなって、具体的なかたちとなっていくのでしょうか。

 

優秀な設計者が作成した図面を見ると、各部品の作り方から組立まで製品の作り方をよく理解していることを感じます。

 

コスト設計では、製品化の流れにおける作り方とコストの関係について、以下のようなしくみを提案しています。

①.工程設計情報や作業設計情報などを整備し、設計者へのモノづくり教育との提

  供を行う。

②.製品が具体的なかたちになっていくステップで、構造や構成に対する概算コスト

  を提供する。

③.設計標準を整備し、設計者に提供し、その手順に沿った設計してもらう。

 

これらのしくみは、設計者の置かれているステージによって、どれか一つではなく相互に関係付けで活用されるものです。

 

ここで留意すべきことは、モノづくりを表現するコストが、寄せ集めではいけないことです。具体的に述べますと、協力会社などから集めたコスト・データをそのまま用いることです。

そこには、それぞれの企業の都合が含まれており、企業が変わることによってコストも変わってしまうため、信頼性が乏しいものになってしまいます。

 

このため、自社のコスト基準を作成するが大切です。つまり、弊社で提案するコストテーブルの整備が必要不可欠になるということです。

 

①については弊社の加工品見積ソフトを、②、③については以下に参考例を示します。

切削加工品の設計標準(例)

構造や構成-コスト情報(例)

最適なコストのための設計の進め方

製品を開発するにあたって、創造性が強く求められるものです。
その一方、利益獲得のために設計段階のコストの重要性が高まり、目標原価を設定し、その達成をするしくみが作られてきました。

具体的には、製品化の流れに示すように目標原価をもとに、ユニットへの原価の割り付け、ユニットから部品への原価の割り付けを行っています。

それでは、このステップを進めた結果、目標原価を達成できているでしょうか。

 

やはり、目標原価を達成できずに、製品開発のステップを戻って、目標原価達成のための見直しを進めていることが発生しているようです。

 

この原因を考えますと以下の2つに分類することができます。

①.設計した図面そのものに起因する。
図面に記入されている形状や材質、公差などが原価を押し上げる要因になっていることです。
たとえば、従来、普通鋼板にメッキしていた複数の部品をステンレス鋼板に変更しました。
この場合、材料単価の面から考えると3倍ほどの価格差がありますので、当然価格アップが避けられないことになります。
このように設計者による意思決定による価格アップであり、コスト教育の不足ということになるでしょう。


②.割り付け原価の値が不適切である。
製品からユニット、ユニットから部品へと原価を割り付けが行われるわけですが、その値と見積った原価に大きな開きがあることがあります。
ユニットや部品へのに割り付けられる原価は、多くの場合、過去の実績データをもとにしています。
そこには、その時の置かれた環境や商談のあり方、製作元の違い、作り方の違いなど見積以外の要件が組合された金額であるということです。

つまり、過去の製品や部品などの実績原価と開発している製品の見積原価を比較することになっているわけです。
このため、ユニットや部品へのに割り付けられた原価と見積原価に開きが生じるのです。

 

したがって、ユニットや部品へのに割り付けられる原価を算出するモノサシについて、見積原価に用いられるモノサシを用いることが肝心です。

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